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電子帳簿保存法の改正
- 2021.12.06
- TOPICS
令和3年度税制改正において、電子帳簿保存法の改正が行われ、令和4年1月1日より施行されます。ここでは令和4年1月1日よりすべての企業に義務付けられる電子取引について説明します。今後電子取引の取引情報はデータのまま保存しなければならず、データをプリントアウトした書面の保存は認められなくなります。
(注) 令和4年度税制改正により、令和5年12月31日までに行う電子取引については、保存すべき電子データをプリントアウトして保存し、税務調査等の際に提示・提出できるようにしていれば差し支えないこととされました(事前申請等は不要)。令和6年1月からは保存要件に従った電子データの保存が必要ですので、そのための準備が必要です。
電子帳簿保存法上の区分
➀電子帳簿等保存(電子的に作成した帳簿・書類をデータのまま保存)…任意
②スキャナ保存(紙で受領・作成した書類を画像データで保存)…任意
③電子取引(電子的に授受した取引情報をデータで保存)…強制
出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和3年7月)p.2
(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_03.pdf
電子取引とは
取引情報の授受を電磁的方式により行う取引
例・電子メールにより請求書・領収書等のデータ(PDFファイル等)を受領
・インターネットのホームページからダウンロードした請求書・領収書等
・ホームページ上に表示される請求書・領収書等のスクリーンショット
・電子請求書・電子領収書の授受に係るクラウドサービスの利用
・クレジットカードの利用明細データ・交通系ICカードにより支払データ・スマートフォンアプリによる決済データ等を活用したクラウドサービスの利用
・特定の取引に係るEDIシステムの利用(インターネットバンキング等)
・ペーパーレス化されたFAX機能を持つ複合機の利用
・請求書・領収書等のデータをDVD等の記録媒体を介して受領
取引情報とは
注文書、契約書、送り状、見積書、納品書、請求書、領収書その他これらに準ずる書類に通常記載される事項
電磁的方式とは
EDI取引、インターネット等による取引、電子メールによる取引(添付ファイル含む)、インターネット上のサイトを通じて取引情報を授受する取引
保存方法
ハードディスク・コンパクトディスク・DVD・磁気テープ・クラウド(ストレージ)サービス等に記録・保存(保存媒体については保存義務者が任意に選択できます。)
(1)保存要件
真実性の要件(改ざん防止措置)から、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
①発行者によるタイムスタンプ付与
②受領者によるタイムスタンプ付与
※タイムスタンプとは、その時刻にデータが存在し、改ざんが行われていないことを証明するためのもので、時刻認証業務認定事業者(TSA)により発行されます。
③データの訂正削除を行った場合にその記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用
④訂正削除の防止に関する事務処理規程の策定、運用、備付け
事務処理規程のサンプル 参考資料(各種規程等のサンプル)|国税庁 (nta.go.jp)
可視性の要件として、以下のすべての条件を満たす必要があります。
➀保存場所に、電子計算機(パソコン等)、プログラム、ディスプレイ、プリンタ及びこれらの操作マニュアルを備え付け、画面・書面に整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力できるようにしておくこと
②電子計算機処理システムの概要書を備え付けること
③検索機能を確保すること(下記(2)参照)
(2)検索機能
電磁的記録の保存に当たり、以下の要件を満たす検索機能を確保する必要があります。
➀取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先を検索の条件として設定することができること。
②日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること。
③二以上の任意の記録項目を組み合わせて条件を設定することができること。
取引データを保存するシステムがない場合の検索機能の確保
例・一覧表の作成により検索機能を満たす
エクセル等の表計算ソフトにより、取引年月日その他の日付、取引金額、取引先の情報を入力して一覧表を作成することにより、入力された項目間で範囲指定、2項目以上の組み合わせで条件設定の上抽出可能であれば、上記➀~③のいずれの機能も満たすものと考えられます。
索引簿のサンプル 参考資料(各種規程等のサンプル)|国税庁 (nta.go.jp)
・ファイル名に規則性をもって内容を表示し、検索機能を満たす
例:2022年(令和4年)11月30日付 ㈱霞商事から20,000円の請求書データ
⇒「20221130_㈱霞商事_20,000」
※当該電磁的記録について、税務職員による質問検査権に基づくダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には、②及び③の要件は不要となります。またこの場合において、判定期間に係る基準期間(法人:前々事業年度、個人:前々年の1月1日~12月31日)の売上高が1,000万円以下の場合は検索機能の確保の要件は不要となります。
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